不動産販売で、できる営業マン、できない営業マンとよく聞きますが、その違いは何なのでしょうか?
契約数や契約率といった数字を見比べて、できる、できないを評価します。
しかし、肝心なのは数字に表れてくる過程です。何を勉強し、何を話、何を聞き取って、どのような提案をし、どのようにクロージングしているかということです。
今回は、できる営業マンがどのようなことを行っているのかに焦点を当ててお話ししていきます。
営業とは?
営業とはどのような仕事だと思いますか。
契約を取ってきて会社に貢献するのは当たり前のことです。しかし、それだけではいけません。
お客様に満足してもらうことが一番です。その結果、契約になるということです。
そのためには、不動産の知識だけではなく、販売物件の近隣情報、お客様のライフプランに寄り添えるための情報など、幅広いし知識が必要です。
不動産営業マンのできる評価
不動産の営業マンで「できる」と評価される人は、接客数から割り出して30%を超える契約率のある営業マンです。
多くの営業マンを見てきましたが、30%を超える営業マンはなかなかいません。
評価が高い理由としては、広告経費が削減できるからです。契約率5%の営業マンと比較すれば、広告費は6分の1しかかかりません。
契約率高いよ!
聞き取り能力が高い
20%の成約率を超える理由の一つとして聞き取り能力が高いことが挙げられます。
・なぜ、家を買うのか?
・なぜ、その地域に住みたいのか?
・なぜ、その広さがいるのか?
・なぜ、間取りにこだわるのか?
・なぜ、駅から近くなければいけないのか?
・なぜ、学校が近くなければいけないのか?
・なぜ、買い物施設が近くなければいけないのか?
・なぜ、幼稚園が近くにないといけないのか?
・なぜ、駅から近い保育所がないとダメなのか?
・子供の習い事はどこにあるのか?
・小学校・中学校の評判はどうなのか?
・どんな部活があるのか?
・近隣にあるクリニックは何かがあるのか?
など、お客様の「なぜ?」を聞き漏れがないくらいに、会話の中から上手に聞き出します。
なぜなら、お客様の「なぜ?」を解決しないと、良い提案ができないことを知っているからです。
ところが、成約率の低い営業マンは、「なぜ?」を聞き出すことができません。その理由は、自分とお客様とが共有する「ゴール」が見えていないからです。
だから、何を聞いていいのかわからず、漠然とお客様の近況を聞くことになります。つまり、家を買う人の気持ちが解っていないということです。
聴くんだよ!
生活提案ができる
お客様のいろんな「なぜ?」を解決できたとしても、金銭面を解決しないことには「家」を買うことはできません。
金銭面の解決には、毎月の収入・支出額を知っておく必要があります。
・毎月の収入は?
・毎月の食費は?
・毎月の家賃は?
・毎月の光熱費は?
・毎月の習い事の費用は?
・月平均の医療費は?
・衣類の購入費の平均は?
・外食費は?
・預金は?
まず、これらの現状がどうなっているのかを把握します。
これらを把握したうえで、無理のないローン額はいくらなのかを割り出します。そして、お客様が満足できるように物件の情報を提供していくのです。
ふんだんな予算がある場合はいいのですが、多くの場合は、何かを諦めるしかありません。
物件の大きさ、駅までの距離のいずれかを諦めなければならなくなります。
駅から近く、広ければ価格が上がります。逆に、駅から遠くなれば同じ広さでも価格は下がります。
これらの情報から、お客様が納得してくださる提案が必要です。
そうだね!
人生設計が提案できる
次に、30年後の収入の伸びと支出額を計算します。
幼稚園は、私学に入れるのと公立に入れるのとでは、支払額に差ができます。小学校も同じです。高学年になれば、学習塾に入れるのかどうかも検討しなければいけません。
中学・高校も私学と公立では、支出額に大きな差が出ます。大学も同じです。
子供たちが巣立った後の夫婦2人の生活はどうするのか。孫ができた時に、孫に割ける予算はどうか。
その後年を取ったときにどのように生活していくのかなどを、お客様と共に描くのです。
こコマでできれば、お客様から絶大な信頼を得ることができますので、「家」を買うときは、あなたからとなるのです。
地道な聞き取りと、将来を踏まえた生活提案ができるからこそ、成約率20%を超える数字をはじき出せるのです。
ISD個性心理学を利用したケース
「なんとなく、この営業マンとは感覚が合うな。」という理由で購入されるお客様も少なくありません。
「よく馬が合う」というような表現をしますが、ISD個性心理学に照らし合わせるとちゃんと根拠があります。
以前にも、人を理性タイプ、比較タイプ、感性タイプの3つに分類できるとお話ししました。この分類でいうと、同じタイプの人たちは「馬が合う」人が多いということが統計上解っています。
ですから、自分が感性タイプでお客様が感性タイプの場合、契約率が上がることが多くなります。
ある不動産会社で、このことを調べたとこがあります。
営業マンは比較タイプです。
過去に接客した人すべてのタイプを調べて、どのような契約率になっているのか統計を取ったところ、比較タイプの契約率は29%、理性タイプは3%、感性タイプは25%でした。
この結果は、当然のことです。
なぜならば、個性のタイプにはリレーションが存在するからです。
それは、比較タイプ➩感性タイプ➩理性タイプ➩比較タイプとなっています。ですから、上記の場合、同じタイプのお客様の成約率が高く、次に、感性タイプのお客様が高かったのです。
比較タイプから見ると理性タイプは、リレーションが逆になるので、話していることが伝わりにくく成約率が3%と極端に低くなるのです。
この統計から成約率を上げるには2つの方法があります。
一つ目は、お客様と同じタイプの営業マンに接客させることです。先ほどの統計からも解るように馬が合うのですから、成約率は上がります。
二つ目は、ISD個性心理学を営業マンが理解して接客に使うことです。お客様の個性に合わせて、話をすることができれば、成約率は上がります。
このように接客にISD個性心理学を導入すれば、営業マン全体の成約率を上げることが可能になります。
まとめ
不動産のできる営業、できない営業は数字で明確に分かれてしまいます。
しかし、できる営業マンの背景には、何をどう質問するのか、質問から回答についてどう対処するのか、それららを統合してどのように提案するのか、という努力があるということです。
その結果、お客様のライフプランに踏み込むことができ、信頼を得ることができるからこそ、「購入するときはこの人から」となるのです。
このようになるには、人並みの努力では、できないということです。