飲食店集客で一番効果があるものと言われると答えづらいのですが、「これ」という一つのものではなく複数のものを合わせて「集客の仕組み化」を組み立てることです。
多くの飲食店は、既存客のフォローはほとんどできずに、新規客の集客ばかりを考えています。
初来店の時の店の雰囲気や店員の対応、料理の満足度でリピートしてくれるかどうかが決まると考えています。
既存客に来店してもらうためのアプローチをすれば、来店回数も増えるようになります。
いずれにしろ、新規客を集めるツール、既存客にリピートしてもらうツールなどを組み合わせて集客を図ることが大切です。
アプローチすれば行列ができるかも
飲食店の集客するツール
「集客」とは、読んで字のごとく、お客様を集めることです。ところが、集客といえば、「新規客」を集めることと勘違いされている方が多いのです。一番大切な「既存客」を忘れてはいけません。
まずは、新規客の集客について考えてみましょう。飲食店の新規客集客に有効なツールは、大きく分けて2種類です。(ここでは、繁華街以外の飲食店を対象にしています)
一つ目は「チラシ」「タウン誌広告」「ホットペッパー」などの紙媒体、2つ目は「ぐるナビ」「食べログ」「自店のホームページ」のネット媒体です。
それぞれの特性について説明します。また、集めたお客様をリピートさせるための方法についてもお話しします。
既存客については、顧客データからの販促とニュースレターについてお話しします。
私の笑顔で集客できるかな!
飲食店の紙媒体を使用した新規客集客
飲食店のチラシ集客
チラシを利用する場合は、お店を中心に半径1~1.5kmです。歩いてでも、自転車でも来れるという距離感です。要は、行く気にさえなれば、すぐに行けるという距離です。
飲食店集客では、この商圏のお客様が一番大切になります。
「土台を固めるのは足元から」というように近隣で支持されないお店は繁盛しません。だから、チラシを入れる場合は、お店を中心に半径1~1.5kmなのです。
顧客リストがあれば、試して欲しいのですが、お客様の分布地図を作ってください。お客様がどこからきているのか一目でわかります。近隣のお客様が多くて普通なのですが、近隣のお客様が少ない場合は、あなたのお店を知らない人がたくさんいるということなので、新規客を集客できる可能性はまだまだあるということです。
それと同時に、どの方面からのお客様が多いのかも調べてください。そして、その方面のお客様が、なぜ、来店してくれるのかも聞いてください。
その理由が解れば、来ていない方面のお客様が「なぜ来ないのか」の理由がつかめるかもしれません。
例えば、
この辺りには、この店と同じような店がないからという理由ならば、来ない方面には、あなたの商圏とかぶらないところに、同じような店があるかもしれません。
もし、そうなら、こちらに来てもらえるようなイベントを考えてチラシを入れればよいのです。
分布地図を作ろう!
飲食店のタウン誌を使った集客
ウン誌とは、地元で流通している情報誌のことです。
商圏はかなり広がります。チラシ集客とは違い、車での移動が主流になります。ということは、駐車場がない飲食店の場合は不向きな媒体です。
タウン誌に広告を掲載した場合に重要なことは、「これ以上の写真は撮れない」というくらいの渾身の1カットを掲載することです。温かいものは湯気が立って温かさを感じるようにシズル感を演出した写真を掲載することが大切です。
よく、「本チラシをご持参の方は10%引き」というのを見かけますが、料理に自信があって、すぐにでも食べたくなるような写真があれば割引の相乗効果が期待できます。
飲食店のホットペッパーなどの広域媒体誌集客
基本的にこれらの媒体を使う飲食店は、繁華街にあることです。大阪市内など都市圏でも繁華街から外れると集客の効果はありません。
繁華街にある場合でも、媒体にはたくさんのお店が掲載されています。その中でも目を引く工夫が必要になります。枠を大きく取るか、小さい枠でも特別なサービスを付けるなどしなければ集客はできません。
しかし、料金割引で集客したお客様は、料金が目当てなので、通常価格では来店してくれません。お店にとってありがたいお客様ではありません。ということで、ホットペッパーなどの広域媒体誌を使うと、安いものを求める客であり、リピート客に育つお客様を集客しにくいことを覚えておいてください。
仕事したくね~!
飲食店のネット媒体を使用した新規客集客
飲食店のネット集客と言えば「食べログ」「ぐるナビ」「ホットペッパーグルメ」が主流になります。
地域名や駅名、利用人数や予算、食事の種類など検索することによってお店を抽出できるので使う側に便利ですので、利用者が多いのです。しかし、ここに掲載されている情報は画一的なものが多く、情報不足の感があります。
そこで用意したいのが自店のホームページです。ネット媒体にリンクを貼れるものもありますし、お客様が興味を持てば、検索してホームページを探しに来ます。ホームページにイベントなどを掲載して一工夫することにより、利用店として選ばれる可能性が強くなります。
自店のホームページでは、「食べログ」「ぐるナビ」「ホットペッパーグルメ」のネット媒体よりも上位に表示されることはほぼないので、ホームページだけで集客するのは困難です。媒体を経由した補完的なものとしてホームページを運用しないと集客するためのツールとして機能しません。
どこのお店にしようかな!
SNSを利用した新規客の集客
昨今で欠かせないのが、インスタグラム・ツイッター・フェイスブック・LINEなどのSNSです。
インスタグラム(Instagram)は、無料の写真共有アプリで、インスタとも呼ばれます。「インスタ映え」という言葉も流行しました。
2017年10月には2000万人が利用しています。
ツイッター(Twitter)は、2017年10月現在の国内のアクティブユーザーは4500万にといわれています。ユーザー数が多いので拡散力もあるので、こまめに情報を上げることが大切です。
フェイスブック(Facebook)の2017年10月現在のアクティブユーザーは2800万人。お客さまと友達になって情報を発信し、来店を促すようにしましょう。
また、広告を打つこともできるので、イベント開催期間は広告を打つのも良いかもしれません。
LINEの国内アクティブユーザーは7600万人以上といわれています。使用層も40代を中心に20・30代はもちろんのこと、50・60代も利用者が多いのが特徴です。
こちらもお客様と友達になってイベントを告知したり、LINE@で広告を出したりして集客を図ることができます。
新規来店客をリピート客に育てるステップ
新規客をリピートさせるには仕掛けが必要です。まずは、次回も来店しなければ損と感じる圧倒的なオファーやサプライズを用意しましょう。
新規で来店されてからリピート客になるまでの流れを一例として紹介しましょう。
あるエステのお店で実際に行ったことを紹介しますので参考にしてください。
Step1
初来店のお客様に、7日後に着くようにお礼のハガキを出す。
Step2
来店日から14日後にハガキを送る。内容は、お肌のお手入れ方法です。
Step3
来店から21日後に、お肌のお手入れ方法と試供品を同封して送る。
Step4
来店から28日後に、クーポン付のDMを送る
Step5
後は、毎月1階ニュースレターを出す
元々のやり方から、このやり方の変えてリピート率は、10%から30%に上がりました。
また、来ました!
飲食店における既存客へのアプローチと休眠客の掘り起こし
既存客へのアプローチを考える場合は、顧客データが必要です。
・初めて来店したお客様が2回目に来店する期間
・月に2度以上来店してくれるお客様の数
・〇〇という料理を注文してくれた1ヶ月当たりのお客様の数
・年間の利用回数が多い上位2割のお客様の数
・年間に多く買っていただいた上位2割のお客様
など、いろんな組み合わせを考えることができます。
組合せを考えたら、それに即した料理やサービスを考えればいいのです。そして、DMを打って来店を促せばいいのです。
また、大きなイベントも必要です。日本の1年間の催事は
1月 正月、新年会、成人式
2月 バレンタインデー
3月 ひな祭り、ホワイトデー
4月 新入学、新社会人
5月 こどもの日、母の日
6月 父の日
8月 お盆帰省
9月 敬老の日
10月 ハローウィン
12月 クリスマス、忘年会
と、16回もあるのです。これに乗じて自店でもイベントを考えればいいのです。
これだけではありません。
パーソナルなデータがあれば、誕生日や結婚記念日などに特別ご招待のDMだって打つことができます。
面白いところでは、
グループに女性が2人いれば2品プレゼント
赤い服を着ている人がグループにいれば全品10%OFF
ネクタイを鉢巻にしていたらワンドリンク無料!
店員とジャンケンして勝ったら半額、負けたら1.2倍支払!
レディースデイ!女性だけで来店されれば10%OFF!
黒のタイツを履いている女性がいれば10%OFF
トレンチコートを着ている人がいれば10%OFF
など、SNSを使ってその日のイベント告知をしています。
ようは、頭を使って考えれば、既存客にアプローチする機会はいくらでもあるということです。
飲食店のニュースレターを使った既存客アプローチ
ニュースレターでアプローチするのは原則として、商品をよく買ってくれる上位2~3割のお客様です。
なぜなら、パレートの法則(20対80の法則)というのがあって、上位2割のお客様が売上全体の8割を占め、残り8割のお客様が2割の売上を占めるというものです。私も、クライアントで調べましたが、この法則になっています。
だから、上位2割のお客様にニュースレターを発行して人間関係を構築し、さらにリピート来店してもらうだけでなく、お客様も紹介してもらえるようにするのです。そうすれば、売上は安定し、新規客ばかりを追わなくてもいいようになるのです。
まとめ
飲食店の集客で一番効果があるのは、集客の仕組みを作ることです。
新規客を獲得してリピートしてもらう仕掛け、既存客には顧客データを紐解いて接触機会を増やす仕掛け、上位客にはニュースレターで人間関係を作っていく仕掛け。これらが上手く機能すれば、自然に繁盛店になっていきます。
そのためのツールとして、ここで紹介したような新規客を獲得するものと既存客を獲得するものを組合せれ仕組みをつくることです。
ティーアップ
飲食店の集客は、新規客の場合、紙媒体ではチラシや地域の情報誌、ネットでは食べログやぐるナビ、ホットペッパーなどの飲食店紹介サイトが必要。既存客の集客は、2回目、3回目と来店させる仕掛けと、常連客にはニュースレターというアプローチが必要なわけですね。