昨今、チラシの反響は落ちてきています。
最大の原因は、ネット普及による新聞購読率の低下です。一般紙新聞の発行部数は2000年は47,401,669、2018年は36,823,021と10,578,648部少なくのなっています。
これだけではありません。
チラシとは、こんなものという認識があり、創意工夫がないように思われます。ターゲットを絞ることはもちろん、お客様の聞きたいことは何かを洗い出し、それを紙面に反映することが大切です。
何のためにチラシを作成するのか
チラシを打つ目的は何でしょうか?
商品やサービスを売るためにチラシを打つのです。費用も決して安いものではありません。それでも、売るために告知する方法がないのでチラシを使うのです。
その反応率は、昔は1000に3つとも言われましたが、今では10000に1つくらいといわれています。
しかし、作り方によっては1000に1つの反響を上げることも可能です。そのためには、業者の実績をきちんと聞くことが大切です。
工夫次第で反響は上がります。
制作会社のチラシの反応を聞く
チラシ制作会社の実績は聞いておきましょう。
H3実績と経緯
どのような業種のチラシを作っているのか。その業種で何種類くらいのチラシを作っているのかを見せてもらうことです。
出来れば、チラシが出来るまでの打ち合わせからの経緯を聞けると、そのチラシがなぜ、できたのかがよくわかります。
相手の担当者からの要望をそのままチラシに反映したとか、相手の話を聞いて調査して提案したなどの話の経緯は、制作を依頼する判断をするのに大切ですので必ず聞くようにしてください。
H3反応率
チラシを打った後の反応率は、何よりも大切です。
何枚のチラシを打って、何人が来たか、どれだけ売れたかを聞くことは当たり前ですが、もう少し詳細を聞いてください。
狙った層が動いたのか、それ以外の層が動いたのか、男女どちらが多かったのかなど、予測した人たちが購入してくれたのかを聞いてください。
狙い通りであれば、分析力とデザイン力があるといっても過言ではありません。
きれいなデザインのチラシを見せられると、「うまいな」と思いがちですがそうではありません。
反響が取れるチラシが、「うまい」チラシなのです。
なるほど
業者に発注する前に考えておくこと
業者に発注する前に、決めておくべきことがあります。これを決めておかないと、業者の言いなりになって、チラシを打った後の反響に納得できなくなってしまいます。
ですから、必ず発注前によく考えましょう。何を考えるかを以下に記します。
H3どんな人に届けたいのか
いわゆるターゲットのことです。
男女のどちらか
年齢層はどうか?
既婚か未婚か
子供がいるか、いないか
子供は、男女どちらか
子供の年齢は?
家族と住んでいるか、一人暮らしか
というように、誰に届けたいのかを具体的にすることです。これが「30代主婦」というよな漠然としたものであれば、「30代前半で男の幼稚園児がいる女性」には届きません。
ターゲットはできるだけ具体的にかつ明確にしておきましょう。
H3キャッチコピーが大切
ターゲットが具体的になれば、キャッチコピーも決まってきます。
キャッチコピーもスマートにカッコイイモノである必要はありません。ターゲットが、「私のこと」と注目してくれるキャッチコピーであればいいのです。
先ほどの例であれば、
「30代前半で男の幼稚園児がいる女性」に朗報です。泥んこになっても真っ白になる洗剤が低価格でご提供!!
このようなキャッチコピーはスマートではありませんが、狙った層に確実に届きます。
こんなことを考えていれば、打ち合わせの時にも内容の濃い打合せができます。
実績を用意する
今までの販売の実績は用意しておきましょう。
過去にチラシを打った時の反響率
月平均の販売数
男女別の購入率
年齢別購入率
など、販売の実績を用意しておくと、業者が深く考えることができます。出し惜しみせずに実績を用意しましょう。
エビデンスを用意する
その商品を使用した時のエビデンスを開示するのも大切です。
ダイエットであれば、どれくらいの期間で何キロ程度痩せるのか、また、使用前と使用後の写真を用意する。それも、一つや二つではなく5つ以上は用意しましょう。
また、使用したお客様の感想も写真と共に用意しましょう。写真があるのとないのでは、消費者を納得させるのに雲泥の差があります。
もし、有名人が使っていて結果を出しているのなら、それに勝るものはありません。
なるほど!参考になるね!
見本は用意しない
打合せの時に、チラシの見本を出さないことです。
なぜなら、「あなたの好みはこういうものだ」という先入観にとらわれてしまうからです。
一概には言えませんが、「どうすれば売れる」を考えながら、「お客様の好みはどうなのか」ということを考える業者もいます。いや、多いです。
なぜなら、お客様に気に入ってもらえなければ、仕事にならないと考えるからです。
「消費者の目線から考えてこうなる」ということを説得できないからです。
そうならないためにも、見本を見せずに、上がってきたデザインの説明をしっかり聞いて、反響が取れるものなのかどうかを、じっくりと考えることです。
見本を見せると好みに捉われます
配布方法も聞いておく
チラシをどのように配布するのかは、チラシで字反響を上げるための重要な要素です。といっても、配布方法は「新聞折込」「ポスティング」「街頭配布」の3つしかありません。
業者に依頼する場合は、配布の仕方も根拠と共に提案してもらうのが良いでしょう。
それぞれを説明しましょう。
新聞折込
新聞の購読率を年齢別に調べておくことです。なぜなら、自社の取扱商品のターゲット層に届くかどうかを見極めなければいけないからです。
新聞の購読率を年代別にみると
10代……3.6%
20代……9.2%
30代……25.3%
40代……34.6%
50代……21.0%
60代……58.7%
自社商品の対象が、60代以上であれば、半数以上の人にリーチすることができますが、20代が対象であれば、新聞折込は適さないということになります。
ポスティング
ポスティングをする場合は、地域を調べることです。
何世帯あるのか?
年齢別人口は?
男女別は?
このようなことをポスティング前に調べておくと、どの地域にポスティングすればいいのかが解ります。
業者も同じ目線で考えてくれていれば、的確な配布方法を提案してくれます。
街頭配布
街頭配布の目的は何だと思いますか?
街頭でチラシを配布しているのを見かけますが、チラシを配布していてどれくらいの人が受け取っているでしょうか?
1割いれば御の字ではないかと思います。
暑い時期にうちわを配布すると受取率も上がりますが、チラシとなると減少します。
そもそも、街頭配布の目的は、受け取ってもらって来店させることではありません。「ここに店がありますよ」という認知のためにしているのです。
例えば、大手薬局チェーンでは、よくティッシュを配布しています。その際に、目立つ色のハッピを着て、店頭付近で配布しています。
これこそが、上記のことなのです。
その証拠に、ティッシュをもらって裏の地図を見て、その店に行ったことのある人は数えるほどしかいません。
このようにチラシの配布方法はとても大切です。業者の提案が自社の商品に合うかどうかも見極めるポイントであることを覚えていてください。
個性が解れば反響を上げることができる
人の消費行動は個性によって違うことをご存知ですか?
人は大きく分けると「理性タイプ」「比較タイプ」「感性タイプ」の3つです。
聞きたいことは、どのタイプも同じなのですが、優先順位が違うのです。
「理性タイプ」は、みんな仲良く和気あいあいとした雰囲気が好きですし、訴求されたことに対して「なぜ?」があると反応しません。
また、エビデンスや理念、商品がどのようにできたのかの経緯が気になります。
「比較タイプ」は、その商品に支払う金額的価値が判断の基準です。また、数量限定や期間限定に響きます。お得感を感じれば、行動に移すのも、このタイプの特長です。
「感性タイプ」は、ピンと来るかどうか決め手になります。つまり、どれだけ目を引くビジュアルがあるかです。
こと細かく書いても、文字は読みません。ポイントだけを大きく訴求すればOKです。後は、「あなたのことが大切です」「あなたのためのものです」という特別感を伝えることです。
有名人やブランドにも反響します。これは、安心を買いたいからです。
ゴルフのクラブのセットでも、少々高くても有名ゴルファーのモデルを買いたがります。
このように個性別に反応が違うので、できれば同一地域に3種類のチラシを打つことをお勧めします。
ちなみに、私が手掛けたチラシを一つだけ紹介します。
このチラシは、大手貴金属買取のフランチャイズ店からの依頼で作成したチラシです。
通常、フランチャイズの場合は本部が作成したチラシを使って近隣に配布します。
ところがマーケティングをしっかりとしたうえで、本部が作成したチラシを打っても反響がなかったのです。
5万枚を新聞折込で配布して、来店があったのは4組でした。
そこで、弊社に相談が合ってチラシを作成したのですが、この時は「比較タイプ」に絞って作成しました。
それが以下のチラシです。
使わなくなった貴金属を現金化するのは60代です。この世代は、バブルの一番の恩恵を受けた世代であり、モノが何でも高かった時代を生きた人です。
そこに、金の価格がバブル期の2.1倍になっていると教えてあげて、それを別の価値に変換しませんかという提案です。
このチラシの反響は、本部チラシと同じ地域に新聞折込をして5万枚を配布したところ44組が来店しました。
個性に焦点を当てると、このように驚く結果が出るのです。
まとめ
反響の高いチラシを作成するには、自分でもある程度の下調べをして、業者から詳しい情報を引き出すことです。
下調べをしていなければ、知識がないので業者の言いなりになってしまいます。
また、仕事を取るために消費者目線ではなく、お客様であるあなた目線で作成してくるかもしれません。
チラシの目的は、商品やサービスを売ることですから、自分の目線に惑わされてはいけません。なんで、提案したデザインになるのか、業者の提案をしっかりと聞いて判断してください。
また、個性に焦点を当ててチラシを作ればどうなるのかも聞いてみてください。