dmの反応率を上げるには、まず開封してもらうことが第一の条件です。
なぜなら、開封もされずにゴミ箱に直行となっているDMが多いからです。ひどいものになれば、家の中にたどり着くことができず、添え付けのごみ箱にポイと捨てられるdmもたくさんあるからです。
ところが、開封してもらうのは簡単ではなく、それなりの工夫が必要になります。そのために、各社いろんな努力をしているのです。
開けてもらうことが重要なのだ!
開封率を上げる工夫
それでは、開封してもらうための工夫はどうしているのか、過去にあった事例から紹介します。
ティーザーコピー
ティーザーコピーとは、手に取った人に「おや!」と思わせるお得感を知らせるコピーです。
「ポイントが10倍になる」「全商品半額」「今だけのビッグチャンス!」「もれなく◎◎が当たる」「1000名様をガム島にご招待!!」など、魅力のあるコピーで惹きつけることができれば開封に繋がります。
ドアオープナー
聞きなれない言葉ですが、ドアオープナーとは、簡単に言えば立体的な異物を混入して違和感を感じさせて、開封させる仕掛けのことです。
封筒の中に、鉛筆などの立体的なものが入っていればどうでしょうか?「何かな?」と思ってついつい開けてしまいますよね。
代表的なものとしては、扱っている商品のサンプル、鉛筆やボールペン・定規などの文房具などです。
ミシン加工を施す
最近、ちょくちょくと見かけるようになったミシン加工を施した封筒。
手で簡単に切れるように、封筒の四辺にミシン目を入れています。「なんだろう?開けてみたい」という行動心理を突いた開封方法です。
透明封筒に入れる
どんな内容のものが入っているのか、一目で明らかになります。
開封率を上げるためには、魅力のあるものが目に飛び込んで来るようなデザインでなければなりません。
役所や税務署風デザイン
不思議なことに捨ててしまわないのが、役所や税務署からの封筒です。
特別なデザインがされているわけでもなく、普通の茶封筒に入っているだけです。なのに捨てずに必ず開封します。
これにあやかろうと、似せたデザインの封筒もよく作られるようになりました。
異物を入れてみれば!
DMの開封率
では、dmが開封される割合はどれくらいなのでしょうか?
一般社団法人日本ダイレクトメール協会が調べたところによると
購入や利用経験がある場合の開封率は平均40.92%、購入や利用経験がない場合はと31.64%です。
その中でも最も開封率が高いのは、役所や行政からの案内で68.5%、次いで商品やサービスの利用明細や請求書で63.0%と高いものでした。
この結果からみると、開封率は低いものです。
1000通送ったとき見てくれているのは約300~400通で、600~700通は見向きもされていないということです。
DM1通当たりの単価は84円ですから、購入や利用経験者に送った場合は、84,000円のうち49,627円を捨てていることになります。
購入や利用経験がない場合は、57,422円を捨てることになります。
これが5000通だと5倍の248,135円と287,110円を捨てることになります。
そんなに無駄があるのか?
DM開封後のレスポンス率
レスポンス率の定義も様々です。
ここでは、
・店に出かけた
・購入・利用した
・会員登録した
をレスポンス率とすることにします。
上記表からもわかるように、店に出かけた人は5.2%、購入・利用した人は3.9%、会員登録した人は0.9%とレスポンスする人はごく一部です。
とはいえ、チラシなどと比較すると高い割合であることがわかります。
開封率をさらに高める方法
上記に述べた方法は、今までに活用されてきたものです。ここで紹介するのは「個性」に基づいた手法でデザインされた封筒を使う方法です。
人の個性を大きく3つに分類することができます。
それは「理性」「比較」「完成」の3つのタイプです。
この3つにはそれぞれの特徴があります。
理性タイプは、人の和=人間関係を大切します。また、みんな仲良く和気あいあいという雰囲気が好きで争いごとを特に嫌うグループです。
比較タイプは、自分でやりたいタイプです。自分にとって損か得かという基準で判断するグループです。
感性タイプは、自分が中心でないと気が済まないタイプで、権威やブランドを気にするグループです。
もちろん、購入するときにも判断に基準が異なります。
つまり、開封率を上げるには、この3つのタイプが気になることをデザインしておくと開封率が上がります。
弊社でも、ある化粧品通販会社で、この法則を用いて夏のキャンペーンの封筒のデザインをしたところ前年対比300%の売り上げ増という驚異的な反応が出ました。キャンペーンの内容は、昨年とほぼ変わっていないとのことでした。
話しを聞いてみると「いつもはキャンペーンの最初と最後に電話が集中するのですが、今回は、キャンペーン期間中ず~と電話がなっていました。」とのことでした。
これからすると開封率が上がったとしか考えようがありません。
余談ですが、同じ手法を用いて冬のキャンペーンの封筒をデザインしたところ、前年対比400%の売り上げになりました。
電話が鳴りやまない
DMの効果測定
ダイレクトメールの効果の測定方法をご存じでしょうか?
まず、DMにかかった総予算を出します。次にレスポンスの数を送った総数量で割るとレスポンス率が出てきます。
重要なのはCPOで1件の注文を獲得するのにかかった費用です。これは、DM政策総費用をレスポンス数で割ると出てきます。
これらを一つずつ説明します。
DM制作総予算
DM制作総予算とは、制作費(コピー・デザイン・企画)、撮影費、印刷費、封入封緘費、郵送費といったDM制作にかかった費用すべてです。
シビアにみるなら、外部スタッフだけではなく、内部の従業員が動いた交通費や飲食などの必要経費、時間当たりの給与も含めて制作総予算を出してください。
レスポンス率
レスポンス率とは、DM総数のうち何通が反応したのかを割り出したものです。
計算式にすると
反応した数 ÷ DM総数 = レスポンス率
10000通を出して200件の反応があれば
200 ÷ 10000 = 0.02(2%)
となります。
CPO
CPOとはCost Per Orderの頭文字をとったもので、1件の受注を取るために要した費用のことです。
計算式にすると
DM総制作費 ÷ 反応した数 = CPO
DM総制作費が300万円で反応数が200件なら
300万 ÷ 200 = 15,000円
で、1件の受注を取るのに15,000円かかるということです。
CPOが低ければ低いほど、効果のあるDMといえます。
コストに見合っているか!
メールDMについて
ダイレクトメールだけではなく、昨今ではEメールを使ったDMもよくつかわれています。
しかし、残念ながら反応数など明確な数字データがないため、EメールDMのメリットとディメリットについて紹介します。
メリット
- コストが安い
- 送付までの時間がかからない
- 効果測定がしやすい
- コスが安い
メールを送るコストはゼロ円です。大量に送る場合は、配信スタンドを使ったほうが良いですが、月当たりの費用は2000円~5000円程度です。
DMと比べると何千分の1、何万分の1になります。
- 送付までの時間がかからない
リストさえあれば、内容の作成ができればスグに送ることができます。
- 効果測定が簡単
送った通数に対して、いくらの反響があったのかを調べるだけです。CPOも計測する必要がありませんし、何度でも送ることができます。
確かに増えたわね!
増えてきたLINE DM
最近増えてきたのがLINEを使ったDMです。
@LINEを使ったDMです。Eメールと違いは、スマフォで見ることができるのでタイムリーにリーチすることができます。
また、「既読」が付くので送った総通数のうち、何通が開封されたかもわかります。
こちらも送るのに送料は一切かかりません。
@LINEの登録数を増やすことが出来さえすれば、メールでリーチする人が増え、レスポンスを期待できます。
まとめ
dmで重要なことは、開封率を上げることです。ティーザーコピー、ドアオープナー、ミシン加工、透明封筒と工夫することはあります。
しかし、表からも見て取れるように開封率を上げる方法にも限界があります。
新しい方法として個性に合わせてデザインするだけで開封率が上がるという方法は、これからの方法です。
しかし、開封率だけに捉われて、企画が充実していなければ本末転倒です。反応率だけではなく、顧客単価やかかった広告費を購入人数で割ったCPOなども算出して、次回の改善に役立てることが大切です。
また、EメールDMやLINE DMも費用が掛からないので併用して使うとさらに反応を上げることができます。